ご挨拶
学長メッセージ
アントレプレナーシップ教育と研究の融合で未来を切り拓く
少子高齢化が世界一進む日本において国立大学を取り巻く環境の変化は激しく、今や大学間の生き残りをかけた時代に突入したと言われています。
これまで長崎大学における教育・人材育成と研究力強化は別個の活動として捉えられる傾向にありました。しかし、これらは相互に補完しあう関係であり、研究力は、教育の基盤となり、学生への高度な教育を支えます。すなわち、長崎大学は、教育力と研究力を融合し、学生の可能性を広げる大学を目指しています。
そのような中、FFG アントレプレナーシップセンターは2019年10 月にふくおかフィナンシャルグループの寄付講座として開設され、2023 年 4 月より株式会社十八親和銀行の寄付講座として新たなスタートを切りました。
特に、FFG アントレプレナーシップセンターでは、アントレプレナーシップ教育を通じて基礎力・汎用的能力や課題解決能力の伸長を図り、実行力のある社会との共創に資する人材育成を推進します。また地域企業、金融機関との連携や、大学の技術シーズ(知的財産)の活用を推進し、革新的なビジネスモデルの創出や、社会に価値をもたらす新しいスタートアップの立ち上げを支援しています。これにより、学生や教職員が長崎はもちろんのこと、全国・世界規模での活躍を目指すための道が広がっています。
長崎大学は、プラネタリーヘルスの実現に貢献する大学として、地域と連携し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを進めていきます。新たな産業の創出と、学生たちの無限の可能性を引き出すため、今後も積極的にアントレプレナーシップ教育を推進し、スタートアップ支援に取り組んでまいります。
センター長メッセージ
私は手塚治虫の鉄腕アトムが大好きで、お茶の水博士になりたくて原子力工学科(アトムの心臓は原子炉です)に進み、重工業に就職しました。研究開発センターで高温機器の開発やアフターサービス商品開発を行ってきて、その過程で工学博士をいただきました。
様々な商品を開発し、今でもお客様に使ってい ただいているものもありますが、開発の多くが失敗しています。失敗はつらいものですが、これらの失敗から学んだことが自らを成長させていることを実感しています。また、開発はお客様を含む様々な人との熱い思いの共有と信頼関係に基づく協働が必要です。このチームワークが開発成功の大切な要素であることを痛感しています。
また、開発の一環として、発電所の資産管理に金融技術を取り入れたソフトウェアを開発するプロジェクトを行い、経済学や経営学への関心が高まりました。一方で、開発センターのマネージメントに係る中で、売れる商品と技術的 に新規性のある技術とはあまり関係がないことを深く感じていました。そこで、研究開発マネージメントに関する社会人履修生として経済学部で研究を行い、業務の傍ら経営学博士をいただき、就職後25年後に長崎大学経済学部に転職しました。
アントレプレナーシップセンターでは、以上のような私のこれまでのアントレプレナーとしての経験を生かしつつ、様々な方々と協働しながら、製品開発の喜びや行動からの学びなどのアントレプレナーシップを学生や社会人、教員の皆様に伝え、体感してもらうことのお手伝いをしたいと思っています。また、長崎大学 内の技術と市場のニーズやウォンツをマッチングさせ、新しい事業を創造するお手伝いを行いたいと思っています。とりあえずやっ
てみることが私の信条です。失敗も多いと思いますが、ご支援、ご鞭撻よろしくお願いします。皆さんで、長崎を、そして日本を、世界を、アントレプレナーシップで盛り上げましょう。